わきがの剪除法

わきがの手術の中でも、現在もっとも広く行われているものが「剪除法」です。
ワキの皮膚をめくり、医師がアポクリン腺を1つずつ取り除いていく方法で、目で確認しながら行うだけに取り残しが少ない点がメリットです。
わきがの剪除法ってどんなもの?
剪除法は、わきがの手術としてもっともポピュラーな方法です。
手順としては、まず局所麻酔を行った後、ワキのしわに沿って皮膚を3~4センチほどメスで切開します。
そこから皮膚を持ち上げてめくると、アポクリン腺が目で確認できますので、それを医師が1つずつハサミで切り取っていくのです。
このように皮膚をめくり上げることから、「反転剪除法」と呼ばれることもあります。
十分にアポクリン腺を取り除けたら、傷口を縫合するとともに、血液を排出するためのドレーンという管を挿入します。
その上からガーゼを縫いつけて圧迫し、さらに包帯を肩からたすき掛けのようにして固定する「タイオーバー」を行うことが一般的です。
剪除法の術後は、このように患部の処置をして止血することが非常に大切になります。
医療機関にもよりますが、術後約1週間でタイオーバーを外し、約2週間で抜糸します。
ワキの傷は時間の経過とともに徐々に目立たなくなり、多くはシワにうまく隠れていきます。手術時間は、両脇でおよそ1時間半~2時間ほどです。
医師が1つずつアポクリン腺を除去していく手術ですので、それだけ時間はかかります。
わきがの剪除法の費用は?
剪除法は、健康保険も適応できる手術です。3割負担の場合、両脇でおよそ4万円ですので、非常にリーズナブルといえるでしょう。
ただし自由診療を行う美容外科などで受けた場合は、20~40万円ほどかかります。
その分、傷跡が目立たないように配慮してもらえますので、特に女性はそちらで受けることを希望する人も多いようです。
わきがの剪除法のメリットとデメリット
剪除法のメリットは、医師が目で直接確認しながら行う分、アポクリン腺をほぼ確実に取り除けることです。
アポクリン腺さえなくなればわきが臭は発生しませんので、完治が期待できます。
一方デメリットとしては、ワキに傷が残ること、また術後の痛みや処置の面倒さがあることです。
これらを避けるために、最近では切開せずにアポクリン腺を取り除くための技術が色々と開発されています。
しかし、医師が実際に患部を見ながら行う剪除法は、確実性という点ではやはり非常に優れており、現在も多くの患者さんに選ばれているのです。
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